赤司視点
―――そういえば、彼女が人と馴染めなくなったのは僕のせいだったかな。

「ひっく、ふえっく」
「泣いていたんじゃいつまでたっても解らないだろう、」
家に帰るといつも彼女は泣いた。情緒不安定というやつだ。毎日毎日泣いている。それを宥めるのが僕の仕事である。
いつもは基本的に落ち着いていて明るい。なのに学校から帰ってくると泣く。
「お兄ちゃん、ごめん。いつも」
「いいから、言ってくれないか?」
「無理、ごめん」
「なんで?」
「教えない。それ以上訊くんなら、お兄ちゃんでも殺しちゃうかも」
「そうか、」
そっと頭を撫でてやる。きっと彼女は僕のせいで泣いている。僕が彼女のためと思ってやった、報復のせいで彼女は泣いているのだろう。酷いことをしてしまった、なんて思ったのは過去、この事だけだ。何をしたのか詳しくは覚えていないが。
「お兄ちゃん、ご飯食べる」
「うん、今作るよ」

胸に突き刺さる過去
20120826
次からヒロインの過去編いきます。なんか不死鳥は連載さっさと終わりそうです。
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