「借りていた本です、どうぞ」
「きゃあっ」
後ろから急に現れた黒子くんにどきどきした。びっくりした。だから変な声をあげてしまった。悲鳴なんて何年ぶりにあげただろうか。
「すみません、驚かせてしまって」
「こちらこそ。変な声ですみません。どうでしたか、その本」
「とても面白かったです」
そう黒子くんが言ったところでチャイムが鳴った。5限目の始まるチャイムだ。
「黒子くん、チャイムなっちゃいましたよ」
「あ、もういいです。次に時間は先生の出張で自習だったので」
「それじゃあ一緒にお話でもしますか?」
「あ、はい」
黒子くんを司書室に連れ込む。司書室は本がいっぱいあって、ちょっとしたキッチンがある。だからそこで紅茶をそそぎ、彼へと出した。「ミルクはいりますか?砂糖はご自由に」とテーブルの角砂糖を出すと黒子くんは「じゃあお言葉に甘えてミルクも頂きたいです」と言ったので小さな冷蔵庫から牛乳を出して容器にいれて出したら「ありがとうございます」と半分くらいいれた。角砂糖も三ついれてたし、黒子くんって甘党なのかな。
「いつもここにいるんですか?」
「はい、教室が少し苦手なんです」
「いいですね、ここにいてテストとか大丈夫なんですか?」
「はい、一応一位キープしています」
「緑間くんより上なんですか、すごいですね」
そういって紅茶を飲む黒子くんは不思議な感じがした。
「黒子くんも、ここにいてくれたらいいのに」
ぼそりと呟いた言葉に黒子くんは目をまん丸にした。そのあと少し考えて、「それじゃあ自習とかの時間はここにいますね」と言った。黒子くんがここに遊びに来てくれるというのだ。私はなんだか心臓の部分が温かくなった。
「嬉しいです、ありがとう」
私が微笑むと彼も微笑んだ。

幽霊が増えました
20120818
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