怒涛の一週間がすぎて赤司家に戻った。お兄ちゃんが迎えに来てくれて、黒子くんもおくってきてくれた。
一週間きっちり教室に通い、先生にも色々お話して、さつきちゃんや他の女の子ともお話した。さつきちゃんはとても面白い子で、なんだか小学生のときみたいに友達が出来る気がした。一瞬怖くて黒子くんに話したら、「桃井さんはいいひとですよ」と教えてくれた。黒子くんの言う事だから絶対大丈夫。
家に戻るとお母さんが黒子くんもあがっていって、と言って客室に案内されお茶をだされた。お兄ちゃんがお母さんに黒子くんが彼氏ということを伝えるととても喜んでくれた。
三人でごゆっくりって客室から出て行ったお母さん。それからお茶を飲んでいろいろとお話をする。他愛もない世間話なんだけど、なんだか楽しかった。
楽しい時間はあっという間にすぎて、彼が帰る頃にはお母さんは仕事に出て行ってしまっていた。単身赴任中のお父さんはいない。
たまにはご飯作るね、とキッチンに入るとお兄ちゃんはちらちら時計を気にしながら私に問いかけた。
「泣かないのか」
え、なにに?と訊けば、いつもこの時間は泣いていたじゃないか、といわれる。そういえばそうだ、黒子くんの家に泊まりに行って以来泣いていない。
「わたし、一週間前から一回も泣いてない」
お兄ちゃんにそう伝えると、すごく嬉しそうに微笑んだ。
「黒子でよかった」
黒子くんがきちんとおにいちゃんに認められているんだって思うとこころがあたたかくなった。

泣かない月
20121021
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