「疲れたー」
ぐてっとリビングのソファに座っていると、「お疲れ様です」と彼はココアをいれてくれた。温かいココアにふうっと息を吹きかけて一口飲む。
「すみません、やはり疲れましたよね」
申し訳無さそうに言う彼に、首を振る。机にココアを置いて、すこし興奮気味に話してしまう。
「ううん!そんなことないよ!わたしね、わたし……もう大丈夫。わたし、教室でも普通に話せてたと思うし…黒子くんの魔法のおかげだよ!」
「僕の……魔法?」
「うん、黒子くんの言葉はね、お兄ちゃんとかお母さんやお父さんよりも、なんだか本当の事言ってる気がして……わたし、黒子くんの言ってること一番信じたいの」
自分でも言ってる意味が解らない、けど、ちゃんと黒子くんを信じたいって言えたからいいと思う。
黒子くんはふんわり笑って私の隣に座り、頭をゆっくり撫でてくれる。黒子くんの手はすごく心地いい。そのままゆっくり近付いてくる黒子くんの顔。目を瞑って彼を受け入れる。重なるだけのキス。実際の時間は短かっただろうけど、私にはとても長く感じて頬を赤らめる。唇が離れると彼は腕の中に私をおさめた。
「よかったです、信じてもらえるなんて、光栄です」
「ふふっ、黒子くんはわたしを信じてくれる?」
「ええ、もちろんですよ」
少し身体を離して、もう一度キスをしようとするとインターホンがなった。
黒子くんは一瞬驚いた表情で、でもすぐに残念そうに「おあずけされてしまいました」と笑うと、私から離れて玄関のほうへ行った。
ああ、まだ黒子くんの熱が残ってる。

花を添えて
20121021
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