教室に入って、みんなの注目を浴びてしまった。
テツくん、その子だれ?クラスメイトと思わしきピンク色の可愛らしい女子生徒が私と黒子くんを交互に見ながら呟くように黒子くんに話しかけた。わたしは黒子くんの後ろに隠れる。微かに汗の香りがした。
「赤司幸さんです。今日からこのクラスの一員ですよ」
女子生徒は少し驚きながら「よろしくね、赤司さん」とにっこり笑った。同い年の女の子に名前を呼ばれたのは本当に久し振りでつい赤面する。恥ずかしいとかじゃなくてどうしていいかわからない。黒子くんの背中にますます身を潜める形になる。黒子くんはクスクス笑いながら「恥ずかしがり屋なので気にしないでください、幸さん、挨拶ぐらいしましょうよ」と言った。コクコク頷いて半分身体を黒子くんの影から出す。よろしく、と手を伸ばすと「わたしね、桃井さつき!」と手をぶんぶん握られ振られた。あわわわ、と手を引っ張られる。
「桃井さん、そのぐらいにしてあげてください。幸さんの腕が千切れます」
「あーごめんね!でもよろしく!」
「よ、よろしく」
若干ぐらぐらする頭を抑えながら笑うと彼女は満足そうににっこり笑った。
「赤司くんの妹さんでしょ?雰囲気違うよねー」
席に着くなり桃井さんは私の机をばんばん叩きながら大きな声で話し始めた。黒子くん助けて、と視線を向けると、黒子くんはにっこり笑って口パクで「だいじょうぶですよ」と言った。
本当に、大丈夫なのかなあ。

真っ白な黒歴史
20121020
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