「黒子くん、寝癖すごいね」
「ああ、いつもは朝シャンしてるんですが…」
「わたしが櫛でとかしてもいい……?」
先ほど使った自分の櫛をポーチから取り出して彼の背後に回った。彼は少し躊躇ったけど、「お願いします」と言った。
黒子くんの髪は柔らかくて、でもしっかりしてて、櫛を通すと絡む事がなかった。何度もとくが寝癖がなおらないからポーチから寝癖直しをとる。
「少し冷たいかも」
「大丈夫ですよ」
シュッと少しかければ彼はくすぐったそうにした。それで櫛を通して少し押さえつけるようにしてもなかなか直らない頑固な癖。なんだか性格が現れてるみたいで笑えた。それでも少しずつ癖は元に戻った。
「黒子くん、できたよ」
「ありがとうございます」
黒子くんは席を立つと次は私を椅子に座らせ櫛を取り上げた。
「次は僕がやります」
「でも私もうといたよ?」
「僕がやりたいんです」
少し我が侭を言う子供みたいにそっぽを向いた黒子くんが可愛くて承諾してしまった。

うねる道
(幸さんは知らないかもしれませんが後ろのほうけっこう跳ねてるんですよ、いつも)(え、うそ)
20121013
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