スコアをつけてはみんなの活躍を見て、たまに赤司くんと目が合って。そのたびに感じたことのないようなどきどきが心臓をきゅうきゅう騒がせた。
「おまえ、赤司のこと好きなの?」
急に隣からごっつい声がした。青峰くんだ。
「え、そんなことないですよ」
「なんで敬語なの?」
「ごめんなさい」
「謝る事ねーよ、寧ろ謝らなきゃなんないのは俺だしな」
はあ、と溜息をつく青峰くんに申し訳ない気持ちになった。

試合は勿論ボロ勝ちし、おしぼりを洗いに再びお手洗いへと向かう。すぐに終わって学校指定の控え室に戻ると青峰くんしかいなかった。今日は運が悪い。青峰dayだ。ぺこりと頭をたれて「みんなは?」と訊くと「赤司に言われて走りに行った、赤司は顧問と話」と欠伸をした。青峰くんは欠伸の多い人だ。隅にバケツを置いて、青峰くんから少し離れたところに腰を下ろす。
「面白いよな、おまえ」
「失礼な」
「いや、面白いよ。俺、女面白いって思ったの始めてかも」
小学生みたいに白い歯を見せてにっと笑った。日に焼けた肌に、白い肌、健康的だなあって変な事を考えてしまう。
「あのさ、よかったら今度学校の帰りに遊びに行かね?勿論黄瀬も一緒で」
「なんで?」
「なんとなく?」
ふっと笑う青峰くんに、少しだけ考えて頷くと、本当に嬉しそうにガッツポーズをした。少しなら、この人大丈夫かなって思い始めた。青峰くんは悪い人じゃない、そんな気がする。
そこに、いきなり扉を開けて入ってきたのは赤司くんだった。

滅びる岬
20121112
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