「37.2、今日は学校休め」
そうお兄ちゃんに言われて駄々をこねる。「いや、行きたい。私学校に行く」と言うとお兄ちゃんは「ダメだ、制服脱いで温かくして寝ろ」と言ってきた。お兄ちゃんは制服をきっちり来ていて今から学校に行く。私も黄瀬くんとお話したいのに、と拗ねる。
「ダメだ。何かあったらメールしてこいよ」
そういってお兄ちゃんは私の部屋の戸をパタンと閉めた。こういうとき融通が利かないからお兄ちゃんはずるい。
部屋にいても暇だし、このくらいの熱じゃ寝付けない。だから携帯をだし、黄瀬くんに「今日学校休むの。お兄ちゃんが休めって言うの」という文章を送った。返信はすぐにきた。「今日、俺も午前中撮影だから学校休みっス!!よかったらメールするっス」その文章に私の胸がどきんとした。今日は行かなくてよかったなあ、なんてことも思った。「撮影頑張ってくださいね、応援します。メールしたいです」という返信をして部屋を出た。
とりあえず朝食をとろう、とリビングに行くと誰もいなかった。お兄ちゃん、もう行ったんだなあ、とラップされた朝食を食べる。ミルクを温めてココアをつくる。私はココアが大好きだ。綺麗に掃除されている部屋のソファに置いてある雑誌をめくる。お兄ちゃんのだからバスケの事ばかり書いてある。よく解らないままめくっていると返信が来た。「十時から十一時までが撮影なんでそれまで何の話題で話しますか?」というメールだった。「黄瀬くんの雑誌の撮影ってどんなのですか?一度読んでみたいです。」というメールを送るとすぐに「今日はファッション誌っス。カジュアル系っスよ!よかったら次学校で会えた時に二、三冊雑誌いるっスか?俺の家、ちょっと載るたびに十冊以上送られてくるんすよ!」という返信が来た。写真つきで、今日着る服がうつっていた。「とてもカッコイイ服ですね!私も憧れます。雑誌いただけるのならいただきたいです!」という返信をすると黄瀬くんも「OKっス!今度渡すっスよ!!よかったらこういう服着て休日に遊びに行くっスか?勿論青峰っちには内緒で(笑)」友達と遊びに行ったことのない私はすぐに食いついた。「ありがとうございます!遊びに行ってみたいです」
ココアはすっかり温くなっていた。メールに夢中になりすぎた。そのあと黄瀬くんとこんな場所に行きたい、こういうものを食べたい、とメールでやりとりしているうちに十時になって「撮影頑張ってくるっス!終わったらメールするっスよ!」という返信が来て暇になった。
お兄ちゃんから寝とけ、と言われたけどその日はずっとメールをしていた。お昼頃おにいちゃんからもメールがきたけれど今日も遅くなるみたいだった。

メール中毒
20120817
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