クリスマスパーティーはとっても楽しかった。ケーキを美味しいといってもらえたし、プレゼント交換も楽しかった。7時にはみんな解散することになった。黄瀬くんが玄関で思い出したように「あ、そういえば」とポケットをがさがさした。
「これもらって」
「え…?」
「美樹っちへのプレゼント」
「え、でもさっきプレゼント交換したよ?」
「だから、美樹っち専用のプレゼントっスよ」
わたしは何にも用意してないし、とすごく焦った。もらえたのは嬉しいけど、わたしからは何もあげられない。
「ありがとう、とっても嬉しい」
「良かったっス」
「でもわたし、何も用意していないよ」
「いいんスよ、俺があげたくてあげたんだから」
「でも、」
「じゃあ一個わがまま言っていいっスか?」
「うん!」
黄瀬くんはわたしの耳元に口を寄せる。どきどきしながら黄瀬くんの言葉に耳を傾けた。
―――今度美樹っちからキスして?
「えっ」
顔がかあっと赤くなる。今日は赤面しっぱなしだと思う。キス、わたしからキス?いままで黄瀬くんからほっぺとか、たまに唇とかにキスしてくれてたのを、今度は私から?
「じゃあまたね、美樹っち」
玄関の扉がしまってわたしは呆然と立ち尽くしたまま残されてしまった。さっき黄瀬くんからもらったプレゼントはレースのバレッタだった。
「なあ、美樹。後片付け俺がやっとくから今日はもう寝とけよ、顔真っ赤だぞ?」
気付いたらお兄ちゃんが隣まで来ていた。
「う、うんごめんね!おやすみなさい!」
逃げるように部屋に戻った。

アクアリウム
20130518
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