放課後になるとすぐにお兄ちゃんもさつきちゃんも黒子くんもわたしの部屋に来た。幸い、部屋が個室だったため少し騒いでも怒られない。お母さんもお父さんも昼間しかお休みが取れなかったみたいで、ケーキはみんなで食べて、と置いていってくれた。
「美樹ちゃんダイちゃんおめでとう!」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
二人の言葉に微笑むと、お兄ちゃんは照れたように頭をかきながら「おう」と小さく返事をした。
ケーキを切り分けていると黒子くんとさつきちゃんが小さな袋を一つずつくれた。
「え、あの」
「プレゼントです」
「美樹ちゃんへのバースデイプレゼント!すっごく迷ったんだよ!」
さつきちゃんにずいっと渡され黒子くんからも受け取る。お兄ちゃんも二人から受け取っていた。
「あの、あの、ありがとう!」
ぎゅうっと握り締めると袋はぐしゃりと小さな音をたてた。
「それでね、こっちはきーくんから!ちょっと前にあったときに渡しておいてって頼まれたの」
こっそり耳元で囁かれて少し大きな袋を押し付けられる。お兄ちゃんは怪訝そうに「それなんだ?」ってこっちを見たけれどさつきちゃんは「女の子同士の秘密!」とごまかした。
「貰って、いいのかな」
「きーくんが貰ってほしいって言ってるんだから」
「う、うん」
頬がじんわり温かくなった。きっといま私の顔真っ赤だ。

傍らにいない
(目がくりくりのうさぎのぬいぐるみ)(メッセージカードを抱きしめた)
『誕生日おめでとう。直接いえなくてごめん…うさぎのぬいぐるみ、気に入ってくれたら嬉しいんだけど子供っぽいっスかね。早く美樹っちに会いたいっス』
20121226
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