美樹っちの赤い頬からして好きな人がいるのかもしれない、と考え始めた。
まさか兄妹でそんな、のはありえないと思う。じゃあ黒子っちか?と疑問をめぐらせる。
俺には正直美樹っちに好かれている自信がない。彼女はいつもみんなに平等だし。かといって嫌われてはいないと思う。楽しそうに笑う美樹っちの笑顔が好きだ。
俺は、青峰美樹を特別な意味で好きだ。
今までにこんなに好きになった事があっただろうか、と考えるくらいに。
「ね、美樹っち、好きな人いるっしょ」
「えっ」
「俺にだけこっそり教えてよ」
みんなに聞こえないようにこっそり囁く。三人はたこ焼きの最後の一個の取り合いしてるからきっと聞こえない。
「ね?」
ウインクすると、彼女は「ううー」と唸った。
「本当に、わからないの。恋って言うのがどんなのか」
「そっかー、じゃあ好きな人できたら教えてよ」
「じゃあ黄瀬くんも教えてくれるの?」
彼女の言葉につまる。彼女に好きな人を教えるって言うのはつまり告白だ。だから絶対にいえない。まんまるい青峰っちと違う柔らかな視線に包まれる。
「じゃあ美樹っちが教えてくれたら教えるっス!約束っスよ」
とんだ自殺行為だ。

うずまくおさかな
20121011
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