さつきちゃんとお兄ちゃんと楽しくお話しながら道を歩きマクバに向かう。どきどきしながらマジバのドアの前まで来るとお兄ちゃんがドアを開けてくれた。シャランシャランとドアを開けたことにより、歓迎するように音がなる。店内をぐるりと見回すも、黄瀬くんの顔が見当たらない。
「こっちっスよ!」
声のする方向を見たら、少し広めにとってある禁煙スペースに黒子くんと黄瀬くんが座っていた。黒子くんはシェイクを飲んでいて、黄瀬くんはポテトを食べている。久々に会ったけれど、黄瀬くんはやっぱりきらきらさらさらの髪の毛がとっても綺麗で……格好良い。少しだけ頬を赤らめてしまう。
「美樹っちもなんか食べるっスか?買ってくるっスよ!」
「そ、そんなの悪いよ!自分で買ってくる!」
「いいんスよ!」
「黄瀬、俺が買ってくるからこいつらと一緒に先座っててくんね?払わせるのは俺が複雑だから」
だるそうなお兄ちゃんの声に黄瀬くんはそうっスか、とちょっと残念そうに言った。
さつきちゃんは既に黒子くんの隣に座ってて、どっちに座ろうか悩んでいると黄瀬くんが自分の隣をべしべし叩いた。
「こっちっスよ」
にっこり笑った黄瀬くんの隣に腰をかけると「ご自由にどうぞっ!」とポテトののったトレーを真ん中にずいっと押した。
「いいの?」
「どうぞどうぞ!」
一本とって食べるとしょっぱい味が広がった。でも私には甘く感じた。
「美味しい」
「俺ここのポテト大好きなんスよ!」
黄瀬くんの笑顔に笑顔で「私も好きになったよ」と返すとトレーにたくさんのバーガーをのせたお兄ちゃんがきた。
「さつきはこれ、美樹はこれ」
ぽいっと渡されたのはテリヤキバーガー。たまにここのテリヤキバーガーをお兄ちゃんが買って来てくれるからちょっとした好物なのである。ぱくりと食べると口中に味が広がった。うん、美味しい。
「美樹っちはテリヤキバーガー好きなんスね!幸せそうな顔してるっス」
「うん、美味しいよ」
「一口ちょーだいっ!」
強請るようにした黄瀬くんに一口あげようと思って差し出すと、お兄ちゃんが黄瀬くんの頭にげんこつをいれた。
「黄瀬、どさくさに紛れて何やってんだ!」
「黄瀬くん、最低です」
「きーくん、それはダメだよっ!」
何がなんだかわからないけどお兄ちゃんが「あげちゃダメだ」って言うからあげないことにした。少し悔しそうな黄瀬くんにちょっと笑えた。

暫くと束の間の境界
20120930
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