朝になると気分はすっかりよくなっていて平熱の36度ぴったしになっていた。お兄ちゃんに見せると「よかったな」と微笑んで頭をがしがし撫でてくれた。
一度部屋に帰り、使っていなかった携帯電話を見るとメールが一通。ちょうど十分前に受信したらしい。内容は『今日大丈夫そうっスか?昨日と一昨日熱があったって聞いたんスけど…』と心配してくれていた。『大丈夫。今日はもう治ったから一緒に行こうね』と返信して携帯電話を充電器に繋げる。黄瀬くんの選んでくれたTシャツに袖を通し、スカートをはいてパーカーを着る。スカートが少し短めに感じたからタイツをはくことにした。あまり露出が過剰だとお兄ちゃんが怒るから。
髪を結んでくれるのはいつもお兄ちゃん。お母さんはお仕事が忙しいから。だから今日もくしとゴムとお気に入りの青いシュシュを持ってテレビを見ながら麦茶を飲むお兄ちゃんのところに行く。ソファに座るお兄ちゃんの前に背を向けて正座する。
「今日もお願い、髪型はお任せ!」
「どうせ美容室行くし、簡単なやつでいいよな」
そう言ってお兄ちゃんはポニーテールにしてくれた。最後にシュシュでとめて「ほい」と頭を優しく叩かれる。
「何時集合だっけ?」
「黄瀬くん、正午に駅前のマジバに集合してお昼食べてから行こうって言ってたよ!」
「じゃあ俺も一応準備しとくかな」
欠伸をしながらソファを立ち、ベランダのこの頃買った服を持つ。だるそうなしわだらけのTシャツを着替えるらしい。シャワーを浴びに行った。
現在九時半。黄瀬くんと会うまであと二時間半。
そう考えるとちょっと心臓がどきどきして顔が赤くなった。
なんでだろう、変な感じ。

わかってなくてもわかっいても
20120928
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