「なあ、どう思う?」
「両想いなんじゃないですか?二人ともいつもお話しているとき笑顔だし」
「絶対美樹ちゃんもきーくんもお互いの事好きだよ!でも多分気付いてないよね、美樹ちゃん」
俺の質問に妹と黄瀬の関係についてテツとさつきがこたえる。妹と黄瀬がどういう関係で、どのようにお互いを思っているか疑問に思っているとこの会話が始まった。彼女は世間を知らないから黄瀬に騙されてるんじゃないかと思う反面、黄瀬は意外とそういう世間知らずに対して手を出すような不純な男じゃないという認識が過ぎる。純粋に二人が好きあっているかなんてわからない。彼女はきっと、特別な好きをまだ知らない。
「黄瀬くんは美樹さんのこと、絶対好きですよ」
「うんうん。きーくんは美樹ちゃんの事大好きだよ!ただし、手は絶対出さないだろうね。きーくん、美樹ちゃんのこと好きだから告白なんかして振られて変な関係になるのが嫌なんじゃないかな」
「さつきが言った事はなんとなく説得力あるんだよなー」
「青峰くん。そんなに心配しなくてもなるようになると思います。それに、黄瀬くんが彼女を傷つけることなんかありませんから」
「は?」
さつきと俺はテツの横顔を見る。テツは黄瀬と美樹をじっと見ていた。
「釘、さしておきました」
それ以上は語らず、少し沈黙があってチャイムが鳴った。ばらばらと席に着く。
どんな釘をさしたのかはきっと訊かないほうがいい。

精一杯の彼らを見る三人
(黄瀬くんは息苦しい関係をいつまで続けるつもりなのでしょうか)
20120914
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -