黄瀬視点
「美樹っち、今日、休みっスか?」
少し嫌そうな表情をする青峰っち。1限目が終わっても姿を見せない彼女。いつもならメールしてきてくれるのに、そんなに悪いのだろうか?と心配になる。青峰っちは少し考えて「おまえならいいか」と間抜けな顔で言うと、ちょいちょい、と人差し指で俺を呼んだ。耳を青峰っちの口に近づける。
「あいつ、昨日の夜いきなり喘息酷くなって入院」
声にならない。あんなに元気だったのに?と目をまんまるにする。青峰っちが朝から静かなのもそのせいかもしれない。
「大丈夫、なんスか?」
変な汗を額に伝わしながら言うと、青峰っちは「このくらいなら一週間だとは思う。けど学校来るのは一ヵ月後とかになるだろうな」と言った。大事じゃないか。馬鹿なんスか、青峰っちは。
病院だから携帯電話も使えないのだろう。だからメールも来ない。つまり、病室から出れないくらい酷いのだろう。
「あの、青峰っち。頼み事があるっス。一生に一度、じゃないかもしれないスけど、いまの俺にとって一番の頼み」
「病院と病室だろ?ほら、」
青峰っちはぺらり、と一枚のメモを俺に渡した。学校から五キロ行った所にある病院と、病室の番号が書かれていた。
「え、」
「黄瀬、調子にのるなよ?どうせ訊いてくるだろうと思ってたし、教えなくても探すだろ?それに、あいつのやりたいことはやらしてやりたいんだよ」
運動場を見つめながら青峰っちは言った。
「美樹っちは俺に会いたいんスか?」
「死ね」

さよならイエロー
(学校終わったらすぐに行くよ)
20120824
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