お兄ちゃんの様子がこの頃おかしいです。
そう切り出せば真太郎の機嫌まで悪くなってしまいました。
「真太郎、機嫌を直してください」
「俺はいつも通りなのだよ」
嘘ですそんなの。なんでいつもは大切に持ってるラッキーアイテム握りつぶしているんですか。なんで今日に限ってラッキーアイテムがロールケーキなんですか。ビニールの中で無残に潰れたそれはわたしの大好物です。
「真太郎、ロールケーキがロールケーキじゃなくなってしまっていますよ」
「なんということだ!」
「購買部に行ってきたらどうでしょう、それと同じのが売っているはずですから」
「ああ、行ってくる」
ぶつぶつと人事がどうたら言いながら真太郎は廊下を歩いていきます。それを見送っていると急にこっちを振り向きました。
「留里も一緒に行くのだよ」
「はい?」
でも彼に睨まれたので仕方がなくついていくことになりました。
やはり真太郎は不思議な人です。
「真太郎、」
「今週の土曜日に試合があるのだが、」
観に来ないか。
いきなりのことで驚きましたが「よろこんで」と頷きました。
彼は顔を真っ赤にしながら鼻で笑いました。相変わらずムカつきます。

悪夢のように抱き込んだ心
20121215
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