「テスト、どうだったのだよ」
隣の席の真太郎が心配そうに見てきた。
現在は数学のテストの返却される時間で、わたしはまだ怖くてテストを見れないでいます。真太郎は点数を隠さず机の上にテストを広げていました。満点なんてはじめてみました。
満点の人にとったら全然ダメな点数かもしれません。と、無言で溜息をつくとそんなに悪かったのか、と訊いて来ました。まだ見てませんって。
そろり、とテストの右上に視線をやります。自分でも驚きました。
「95点……」
「すごいのだよっ!」
私の点数を見てぱあっと笑顔になった真太郎。真太郎、こんな風に笑うんだって驚きです。お兄ちゃんは「人を馬鹿にした笑い方をする人です」って言ってたのに。
「えっと、ありがとうございました」
「ふんっ、次も精精頑張るのだよ!」
やっぱり人を馬鹿にしたような笑い方をする人でした。
でもなんだか少しだけ嬉しくなって、次も頑張ろうという気になります。
不思議な人です。

微熱からなるハート
20121024
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