「……ストーカー行為とみなしたいものです」
「……俺が行くところにおまえがいるだけなのだよ。まったく、黒子といい留里といい」
ぶつぶつ文句を言われています。被害者はこっちです。私は女性なので緑間くんのしていることはセクハラに値すると思います。事の概要をお伝えしましょう。この頃私はころころ教室を変えて小説を読むことに勤しんでいるのですが、行く空き教室行く空き教室でさきに緑間くんがいたり後から緑間くんが入ってきたりで、彼とお話しする機会が多くなっているのです。ただし、そろそろどちらかが必然的にやっているのではないかとお互いに疑い始めています。無意識のうちにというのも考えましたが、私はこの頃あみだくじで行く教室を決めていて彼はその日の運勢で決めているらしいので、ほぼキセキです。それで本日は私がいる空き教室に彼がきました。脇に中国製の壷を抱えた彼が。
「はあ、」
「溜息をつきたいのはこっちなのだよ、全く」
「腐れ縁ですね」
「そうだな」
お互いのため息が重なります。いつも、教室が同じでも結局一緒にいることになります。いちいち他の教室に行くのが面倒くさいという事もあるのですが。
「もう諦めて一緒の教室にしちゃいますか」
「そう、だな。そろそろ諦めよう」
こうして私達の空き教室が決まりました。決して逢瀬などではございません。彼がここへ来るのは昼休みとサボったときとテスト期間中の放課後だけです。二人のため息は再び重なり、「真似しないでください」と言ったら「真似したのはそっちなのだよ」と睨まれました。怖いものです。

寄せ集めの雑草による奇跡
20120904
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