「黒子、貴様何故短時間で背が縮んでいるんだ、髪も伸びたか?」
その言葉がきっかけで私は緑間くんと知り合いました。春、同じクラスになった緑間くん。朝練が終わって始業式前に彼は教室に来た。来るなりそんなことを口にした。私は今までほとんどの人に話しかけられたことが無いため驚いた。お兄ちゃんと私で比べたら私の方が影が薄いのだ。それに気づいた彼は一体何者だろう、と思った。お兄ちゃん曰く「頭は良いはずなのですが、ねじが二、三本抜けた人です」だったが本当に抜けているらしい。名前、私の名前は黒子だけどおにいちゃんと同じ名前じゃないの。
「お兄ちゃんがいつもお世話になってます。双子の妹の黒子留里です」
「あいつ、双子がいたのか。すまん、気付かなかったのだよ」
「はい、私もこの学校の同級生にはじめて話しかけられました」
「貴様は黒子よりも影が薄いのか、悲しいやつなのだよ」
「貴方に言われたくないです。ねじの抜けた残念な人」
「それは黒子から聞いたのか」
「貴方の抱えている物を見れば一目瞭然です」
緑間くんは猫のぬいぐるみ(けっこう大きい)を抱えていた。「何ですかそれ」と訊ねると「今日のラッキーアイテムなのだよ」と言ってきた。ダメだこの人。関わっちゃいけない人なのだよ。
「今失礼な事を考えていなかったか?」
「そうですね、考えてました。声に出てましたか」
「嫌そうな顔をしていたのだよ」
「そうですか、ご愁傷様ですなのだよ」
緑間くんはキレそうでした。チャイムもそのタイミングで鳴ったことだし会話はそこで中断。
これが緑間くんと私の出会いです。

見間違え
20120818
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