真っ青な顔をしたお兄ちゃん。わたしは真太郎から離れられずに顔を真っ赤にして俯いた。
「何やってるんですか、緑間くん。留里から離れてください今すぐに」
ずかずかと歩いてきたおにいちゃんにひっぱられて真太郎と離れるけど、腕だけは真太郎に握られたままだった。
「黒子こそ、何をやっているのだよ」
「可愛い妹が悪魔のような不純な男の腕の中にいるなんて憎らしいから離れてもらっただけですその手もはなしてください」
「お兄ちゃん?」
いつもふんわりとしたことばかりいうお兄ちゃんの口からすらすらと出てきた言葉は普段使わないような罵倒の言葉。びびった。
「お兄ちゃん落ち着いてください」
「ぼくは落ち着いています。それよりも留里、目を覚ましてください。これは緑間くんです。悪魔の緑間くんです」
お兄ちゃんは落ち着いていなかった。
「真太郎、どうしましょう」
「とりあえず、弁解するのだよ」
出会う状況が悪かった、と思った。
わたしが真太郎を押し倒しているような姿をお兄ちゃんに見られたのだ。

揺れない揺れる彼とわたし
20130713
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