どうしよう。恥ずかしいけど離れたくない。変な気持ちでいっぱいです。色っぽく言われた言葉を告白以外にとることはできません。依然としてぎゅっとまわされている腕を押しのける事もできなければ、だからといって自分も腕をまわす事はできない。複雑すぎて辛いです。彼の表情が見えません。彼からもわたしの表情は見えません。
「留里、だから離れないでくれ」
「いきなり、どうしたんですか真太郎」
「留里は俺のことがすきか」
好き。その一言を言うのが恥ずかしい。好きだけど、きっとこのどきどきも真太郎の事が好きだからだけど、やっぱりこうやって言うとなると難しいのだ。自分の意見ははっきり言うほうだけど、こんな状況初めてで、こんな気持ちも初めてで、何もかもはじめての世界にいるわたしはまったくの子供です。反抗期気味の子供なのです。
「急すぎます、真太郎」
ぐっと腕に力をいれて真太郎を突き放すと、不安そうに、でも頬を真っ赤にした真太郎が目を細めました。
「でも、真太郎の事がわたしも好きです」
にこりと笑うと安心したかのように、でもちょっと驚きながら笑う真太郎。だけどそんな空気も一つのガシャンという音で崩れます。廊下の遠くのほうにお兄ちゃんが見えました。先ほどの音はお兄ちゃんが何かを落とした音だと思われます。とても恥ずかしくなって真太郎から逃げようとしても、真太郎の腕からは逃れられませんでした。わたしを離してくれません。

わたしとかれとあに
20130408
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