お兄ちゃんに真太郎の事が好きとか訊かれて以来なんだか意識してしまうようになりました。学校に行く途中偶然にも真太郎を見つけてしまって、咄嗟に隠れたことがいい証拠だと思います。真太郎は背が高いうえにあんな綺麗な髪の毛をしているので後ろから見ていてもすぐに気付きます。
「ストーカーかよ」
「あ、青峰くん」
振り返ると青峰くんと桃井さんが立っていました。青峰くんはダルそうに欠伸をしてわたしを見ました。眠そうにわたしの視線の先を見るなり不敵に笑います。
「ははー、緑間だな?」
「留里ちゃんはミドリンのこと好きだもんね!」
「な、なな、二人して何言ってるんですか!」
頬があったかくなりました。二人はにやにやしながらわたしを陰からひっぱりだすと大声で「緑間ー」「ミドリーン」と緑間くんを呼びます。真太郎もこっちを振り向くなり嫌そうな顔をして近付いてきました。
「朝から騒々しいのだよ」
「留里がおまえと一緒に登校したいのだよ」
「留里ちゃんと登校するのだよ!」
「バカにしてるのかおまえらは。語尾を真似するな!」
だーっと走って逃げる二人。あの二人は騒々しい上におせっかいです。ちょっと気まずい気持ちを飲み込んで「おはようございます」と言うと、小さく微笑んで「おはよう」と言った彼の手にはやはり当然のように今日のラッキーアイテムを持っていた。

花の唇
20130403
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -