その日真太郎はチームで一番点数をいれた。
今日の運勢は最高なのだよ、それにラッキーアイテムもいるのだよ、人事を尽くしたからだ。
真太郎は鼻で笑いながらそういった。ラッキーアイテムがいるって言い方がなんか変な感じです。主将さんがわたしにこっそり「ありがとう」と言った意味もよくわからないし、とにかく帰路につくことにした。しかしお兄ちゃんは用事があるとかで一緒に帰れず、真太郎が同じ方向だからと一緒に帰ることになった。うさぎのぬいぐるみを返そうとしたら「あげるのだよ」と言って頭に手を置いた。うさぎのぬいぐるみは私のものになりました。
「真太郎、どうせならこのぬいぐるみに名前をつけましょう」
「名前?」
「名前をつけたほうが愛着がわくというものです」
「名前……」
うーん、と真剣に悩み始めた真太郎。わたしも悩んでみます。
正直ぬいぐるみに名前をつけるなんて初めてです。悩みます。うさぴょんとか、ウサ吉とか、思い浮かびますが普通すぎて面白みに欠けますよね。頭を捻ってもイマイチです。
「真太郎からもらったから真ちゃんなんてどうでしょうか」
冗談交じりに言うと真太郎は目をまんまるにして再び考え始めました。
あれ…。
「それでいいのだよ」
顔を真っ赤にした真太郎。
そんな、わたしまで真っ赤です。呼ぶたびに恥ずかしくなっちゃうじゃないですか。
こうしてぬいぐるみのお名前は真ちゃんになりました。

好きって言えなくなる魔法
20130209
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