学院長の花祭り
花祭り。今年もまた春の訪れを祝福して、各地で沢山の花が降り、風船が飛んだ。
学院もまた例外なく、花祭りで賑わっていた。各々の物語を胸に迎えた春は、この先彼らにとってどういったものになるのだろうか。
そろそろ祭事も終盤を迎え、役目を終えた花を、妖精達がマナへと溶かしている。ふわりと風に舞った花を目で追いかけると、パリスは柔らかな光を見つけた。
「おや、いらしていたのですか」
パリスの声に反応したように瞬いた光は、やがて春の穏やかな光に溶けて消える。
今年も、暖かな春が訪れた。
end
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