ジェイルの花祭り
アイリス。学院都市を散策中、ふと目に入ったその花達に、思わず手を伸ばす。花と共に告げられた想いが、嬉しかったのはいつの事だったろうか。ジェイルは、ふと目を細めた。
学院都市にもある花屋や、他所の大陸から来ているのか、路上での花売りが花を並べていた。そういえば、もう明日は花祭りだったか、と思い至る。
伸ばしたそのまま手に取り、花売りに代金を渡す。包まれたアイリスの花を手に、学院の職員寮に戻る道を歩く。
「覚えてるかな」
少しばかり不安に思いながらも、自分にとっては思い出の花。
花祭りの日にアイリスを渡すのが、毎年の出来事になれば嬉しいと、ぼんやり思った。
end
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