神々が愛した学び舎
まだ太陽が昇りきっていない朝早く。セフィルは学院敷地内の教会で、1人両膝を着いて祈っていた。
白い服に、青色のケープを羽織り、瞳を閉じて、ただ静かに祈りを捧げる。
マリアベルの日の朝早く、教会で祈りを捧げるようになったのは、学院の代表に選ばれた日から。責任感に押しつぶされそうになった事もある中で、祈りを捧げて気持ちを落ち着けた。
様々な人達に支えられて、今自分は此処に居る。学院に居る全ての人達に、幸多からんことを。
「この学び舎なら、叶えられると信じられたの」
人々の、それぞれの願いが。
セフィルは、青い瞳を開く。自分は、こうやってただ祈る事しかできないけど。
どうかこの場所が、この場所に関わる全ての人にとって、安らげる場所でありますように。
セフィルは、青い瞳を閉じた。
...fin
2019/06/11 加筆・修正
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