The infinite world | ナノ



各務 翔真の話


「イレギュラー、なの」

 ティエラはそう言った。

「まもれなくてごめんなさい。だから、あたらしいこをあげる」

 そう言って、シラハセのいない世界に、記憶を定着させた。残されたのは、喪失感と、不信感と、絶望と、新しいパートナー。

 なあ、ティエラ。

 人を皆"いとしいこどもたち"と表現するお前にはわからないのか。アイツは、アイツでしかなかったんだ。アイツの代わりなんていない。同じ魂? アイツをそのまま甦らせることができないなら、こんな茶番、付き合う義理も義務も俺にはないんだよ。

 アイツを奪った世界を、守ってなんかやれねーんだよ。

「……くだらねぇな」

 涙も出ない。

 end

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