A saccharine smile


「お前の愛想笑い見てると吐気がするんだよ。」

南沢が不快感をあらわにした顔で、自分の上にのしかかる蘭丸に言った。

「は?いきなり何ですか南沢さん。大体俺はあなたの前で愛想笑いもした覚えないんですけどね。」

蘭丸は自分の下に敷いた南沢に甘ったるい笑顔を向けて言った。
嫌そうにその笑顔から顔を背ける南沢。

「ったく、お前ホント良い性格してるよな・・・その癖、いつも顔に笑み張り付けて良い子ちゃんぶってて笑えるわ。」

今度は南沢がとびきりの笑顔で言った。
そのまましばらく、笑顔をうかべたまま睨みあっていたが、不意に蘭丸が南沢の胸倉をつかんで顔を引きあげた。
近づく愛想笑いに、気持ち悪いんですよ、と吐き捨てて安っぽい笑みを浮かべる唇に噛みついた。

「んっ、っ、ふ・・・っん」

乱暴に口の中を掻き乱していく蘭丸。
静かな部屋には二人の立てる水音がやけに響いて、南沢の耳に絡みついた。

糸を引きながら唇が離れたときには、笑みは消え、南沢の赤く染まった顔に、蘭丸は口の端を舐めて嗤った。

「俺はいまのアンタの顔のほうが断然マシですよ。」

南沢はわずかに口元をゆがめてお前も、と言い捨てた。



 A saccharine smile
 (甘ったるい愛想笑いの裏に隠されたのは)      



ついったのリクエストで朋樹さんからいただいた蘭南リクエストでした。
朋樹さん素敵なリクエストありがとうございました。
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