小さな誠 | ナノ

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 クリスマス。小さなサーヴァントたちがサンタさんへのプレゼントを相談し合い楽しげにキャッキャウフフしている最中。
マスターのマイルーム内のとんしょには、土方ちびさんとちびはじめちゃんがわちゃわちゃと会話をしていた。

「今年も来たぞ、この季節が…」
「なんですか、副長。そんな今にも討ち入りに行くみたいな顔をして」

 どうやらマスターが用意した小さなちゃぶ台を挟んで剣呑な雰囲気を出す土方ちびさんをちびはじめちゃんが宥めているようだ。

 植えられて生まれてきた小さなサーヴァントには聖杯からの知識が中途半端だったり、変に歪んでいたりするものが居る。そして、土方ちびさんは知識が抜けている者のうちの一人だ。

 土方ちびさんはクリスマスをよく知らず、サンタさんのことを賊の類だと勘違いしていた。そして彼のクラスはバーサーカー。なかなか知識の訂正が上手くいかない。初めは説得していたちびはじめちゃんは、今は諦めて被害を小さくすることに尽力し始めた。

「サンタさんは害のある存在ではないってマスターちゃんも言ってたじゃない、罠にかけるのは不味いんじゃないの?」
「だが、誰にも顔を見られることなく枕元に置き土産を置いていくジジイなんて怪しいことこの上ないだろ。念には念を入れた方がいい」
「んもー!頭硬い所まで受け継がないでくださいよ、面倒くさいなぁ!」

 いくら言っても意見を曲げない土方ちびさんに、とうとうちびはじめちゃんは匙を投げた。もう知らないとばかりに、サンタを捕まえるための作戦を挙げていく土方ちびさんに相槌を打つ。こうして新撰組のクリスマスは明けていった。

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