土方ちびさんがいつもの様に見廻りを行っていると、廊下の隅に見慣れない小さな丸い物が落ちているのを発見した。それは微かに魔力を帯びており、その魔力に対して土方ちびさんの新撰組センサーが反応する。
確信を持った土方ちびさんはそれを拾い懐に仕舞うと、見廻りを素早く終わらせて屯所の隅にそれを埋めた。
それを埋めた翌日。
土方ちびさんが朝の鍛錬を終え、様子を見に行けばそこには小さな双葉が芽を出していた。それに驚くことなく土方ちびさんは声をかけた。
「さっさと出て来い、斎藤」
その声に応えるように双葉は微かに揺れる。それを確認すると、 口の端をクイッと持 ち上げて土方ちびさんは朝の見廻りへと出掛けて行った。
その場に残された双葉は、急激にスクスクと育ち始め生まれたのはもちろん──。
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