小さな誠 | ナノ

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 その背に背負うは誠の一字。
それは例え体長五センチになっても変わらない。土方ちびさんは、新撰組として恥じない働きを見せようと今日もマスターのマイルームから食堂、大切な貯蓄庫まであらゆる重要施設を中心に漏れのないように見廻りを行う。最近は新撰組隊員も増えて少し楽になった分、より綿密に見廻りを行うことが出来る。サイズを活かして本来のサイズでは見廻れない隙間などを隈無く見て回ってからは鍛錬や休憩の時間だ。

 休憩の時間は存外情報のやり取りの場としても活躍する。小さな湯のみと茶請けに沢庵の細切りを貰った土方ちびさんは満足そうに頷く。

 次々と見廻りを終えたちびはじめちゃんや大きい方の自分などが食堂に集い、どんどん賑やになって行く様にほんの少しの懐かしさを覚えながら、土方ちびさんは目を閉じてお茶の香りを楽しんだ。

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