新宿に無理矢理ついてきて、一人で気ままに食べ歩きをしていた王。
王はそこで雑多な街の中にあっても目立つ、派手なピンク色の看板を見付けました。
何やら中では様々な種類のアイスが売られているようです。興味を持った王様は試しに食べてみてやることにしました。
王は店員に告げます。
「この店で一番美味いものを寄越せ」
戸惑う店員に重ねて命じます。
「王に献上出来るものを用意せよと言っている」
一瞬あっ…という顔した店員はすぐに笑顔を取り繕うと「ではコーンかカップ、どちらにいたしますか?」と質問してきました。王はアイスと言えばコーン派でしたので、高らかにコーンだ!と店員に指示を出すと、用意を見守ります。
「お待たせいたしました〜こちら当店人気ナンバーワンのポッピングシャワーです!」
そう言って店員が差し出してきた何やらカラフルなアイスを受け取ると、王はナンバーワンという言葉に満足気に高笑いをしながらお金を置いて店を出ました。
改めてアイスをまじまじと観察し始める王。薄緑と白のマーブル模様に鮮やかな赤と緑の不揃いの粒が入っています。一旦どんな味なのか、王でも想像ができません。なかなか現世も楽しめるものだと少しだけ感心しながら、早速付属の小さなスプーンでアイスを食べ始めます。
もちろん、何かの木の実であろうと大きな粒も一緒にです。そしてお口の中でとろける甘味を楽しみ、粒を噛み砕いた瞬間のことです。
笑顔だった王は、突然口の中でバチンと弾けたその粒に驚きます。欠片の一粒一粒がパチパチと弾け、不敬にも王を
しかもこの刺激、なかなかに強く、そして歯の隙間や頬の裏側など場所を選ばずパチパチ弾け続けているのです。王は驚きのあまり、思わずアイスを落としてしまいました。
まだ、一口分しか食べていないのにです。王は思わず「おのれ…!」と呟いてしまいました。
そう呟く王の口の中では、未だに弾ける続けるポッピングシャワー…。
これは偉大なるギルガメッシュ王が、現世のポッピングシャワーに負けた日のお話。
おしらせ
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