植えられた推し | ナノ

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×月×日(猛吹雪)
青色の小さなビーズのようなものが落ちておりそれから微かに魔力を感じた為、ダ・ヴィンチ工房で調べてもらった所、これはなにかの種なので育ててみろと指示された。植木鉢と土を貰って部屋に戻ったが、無事育てきれるだろうか…。不安だ。

×月○日(吹雪)
植えて一日目なのに既に芽が生えた。種と同じ色の植物にはありえない程の鮮やかな青色で、風もないのにふわりゆらりと揺れていて幻想的だ。感じる魔力の量は徐々に増えていて、何の変哲もないシンプルな植木鉢に植えているのが申し訳ない気がしてくる成長の仕方をしている。このままの植木鉢だと申し訳無さ過ぎるので、取り敢えず植木鉢の変更を検討している。

×月▲日(雪)
あの植物は弓のような形へ成長していっている。見覚えがあるような気がするが、思い出せないのでもう少し成長を見守ってから、もう一度ダ・ヴィンチ工房で調べて貰おう。

○月○日(吹雪時々晴れ間あり)
朝、植木鉢の様子を確認すると小さいサイズのインドの英雄が生えていた。動揺のあまり叫んでしまったが、取り敢えずダ・ヴィンチ工房へ走った。調査してもらうと、霊基も本人のものだと言われた。ただ、現在カルデアで顕現されているサーヴァントとは別の側面が集まって出来た亜種のようなものらしい。このまま育てて経過を見るように指示された。

○月×日(雪)
どうにも彼、アルジュナは真面目なタイプらしい。気付くと小さい身体で部屋の掃除などをしてくれている。そんなことはしなくて良いと伝えたがどうも何もしないで居るというのが苦手らしい。何か考えた方が良いのだろうか。

○月◇日(吹雪)
ダ・ヴィンチ女史に相談して、専用のトレーニング器具のようなものを作ってもらった。これを使って身体を鍛えて有事に備えて欲しいと伝えると「さいりょうのけっかをあなたに」と張り切って鍛えだした。掃除よりはやりがいがあるだろうとなんとなく微笑ましくなった。

○月△日(吹雪)
カルデアは雪山にあるので苦手な奴らは侵入して来ないだろうと油断していたら、どうやらレイシフト先から小さな虫がついてきていたらしい。悲鳴を上げて逃げ回っていると「パーシュパタ!」という鋭い声と共に、虫が灰も残らず消滅した。アルジュナが倒してくれたらしい。威力こそサイズに合ったものになるが、どうやらきちんと宝具も打てるらしい。彼のサーヴァントらしい頼もしい一面を見た。お礼にとっておきのエミヤさんが作ったスイーツを渡したら遠慮しつつお花を飛ばす勢いで喜んでくれた。

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