植えられた推し | ナノ

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□月○日(晴れ)
一昨日生まれた二人の子どもは元気にはいはいして鉢植えの周りをお散歩するようになった。術ギルが言うには、そろそろ母乳だけではなく果汁が飲めるようになるらしいので、無添加のジュースを探しておくことにする。
…そもそも、子ギルは男だったと思うのだが…まあその辺は生命の神秘として自分を誤魔化しておこう。

□月△日(雨)
二人の子どもを取り敢えずジュニアと呼んでいるのだが、ジュニアはとうとうつかまり立ちが出来るようになった。二人してあんよが上手♪と我が子を応援している姿が微笑ましく、ついスマホで録画してしまった。

□月□日(雷雨)
ジュニアは雷が苦手らしく一日中泣いていた。あまりにも可哀想だった為、せめてと遮音になればと植木鉢に厚手のタオルをかけたのだが効果は薄いようだ。ずっと子ギルに抱っこされながグズっていたので、念の為に薄めたスポーツ飲料を術ギルに渡しておいた。

●月□日(晴れ)
ジュニアが話せるようになったと子ギルと術ギルから報告された。舌っ足らずにぱぁぱ、まぁまと呼ぶジュニアは愛らしかった。記念にとっておきの金平糖を一家に差し入れておいた。

●月△日(曇)
ジュニアも活発に動けるようになり、今までの植木鉢だと手狭になったらしい。術ギルから引っ越したいという旨の相談を受けた。一先ず明日、一緒にホームセンターへでかけて丁度良さそうな植木鉢を購入しに行く約束をした。

●月▲日(小雨)
子ギルに留守を託し、術ギルと近所で一番大きなホームセンターへ出かけた。散々歩き回らされて店をはしごし迷った結果、どうにか御眼鏡に適う物を見つけることができた。少し高めではあったが、住みやすそうなのでまあ良いかとそれを購入した。ついでに新居用の土と、ジュニアが独り立ちする時用の鉢も買っておいた。

●月◇日(曇り時々晴れ)
ジュニアに歯が生えたらしい。ジュースではなく、マスカットなどの果物を要求された。成長を見守っているうちに本当に孫のように思えてきている為、喜んで高い奴を買ってきた。嬉しそうにかじりつくジュニアは多分世界一可愛いと思う。


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