植えられた推し | ナノ

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○月×日(晴れ)
今日は見付けた何かの種を植えてみた。全体的に黒く、赤いラインのある見たことのない種だ。一体何が生えるのだろうか。楽しみ。

○月△日(曇のち雨)
×日に植えた種の芽が出た。少し黄色がかかった独特の形状をしている。芽が出た頃からうちで育てて居るエーフィがよく植木鉢の周りを嗅ぎながら歩き周りだしたのが少し気になる。一体どうしたんだろうか。

○月○日(曇)
芽は順調に育っているが、何やらゴーグルのように見えるものがくっついている。図鑑で調べてみたが名前は分からない。気になるのでこのまま育ててみることにする。エーフィは植木鉢を見張るようになった。何か気になるのだろうか。

○月□日(雨のち晴れ)
とうとう芽吹いた。植えてから10日ほどだったのでなかなかの成長速度だと言える。しかし何度見ても人間に見えるのが気になる。その顔の持ち主はエーフィとは意思の疎通が出来ているらしく、エーフィも珍しく懐いているようだ。その様子に悪いものではないと判断し、もう少し育ててみることにした。

○月◇日(晴天)
□日まで土の中から首や腕だけを出していただけのはずの生き物が、全裸の状態で土から身体を出していた。呆然として少し目を離した隙にエーフィに乗って何処かへと遊びに行ったらしい。体感では3時間、実際は15分程度で戻ってきた時には何処で調達したのか身体にあった服を着込んでいた。不思議だ。

○月●日(雨)
外は雨だと言うのに、この生き物はジッとしていない。どうやらエーフィやポケモンたちだけではなく人間とも意思の疎通は可能らしく、やっと名前を教えてもらえた。彼は「レオ」と言うらしい。少しもジッとしておらず常にエーフィを引き連れて何処かしらへと冒険に出ている。彼が来てからのエーフィも非常に楽しそうなので、そのまま好きにさせることにする。

○月■日(雷雨)
こんな天気の悪い日もレオには関係ないらしく、外へと飛び出していった。レオの為に窓を一か所鍵を閉めずにしておいたところ、外で怪我をしているブラッキーを保護してきたらしい。ポケモンセンターへ連れて行こうとすると威嚇をして抵抗するブラッキーには困ったが、どうにかレオが説得してくれたらしい。その後は素直にセンターに着いて来てくれた為、傷の治療を済ませた。レオがずっとブラッキーについていて、非常に様子を気にする為このままうちで保護することになりそうだ。

△月○日(晴)
あの日保護したブラッキーはすっかり元気になった。どうやらこちらもレオに懐いたらしくエーフィと共にレオと外へと飛び出しては何処かで遊んでいるらしい。のびのびと暮している彼らを見ていると和むので、今後も自由にさせていようと思う。

△月□日(晴れ時々曇り)
どうせいつも植木鉢にいないからと植木鉢を片付けたら地団駄を踏んでまで不満を訴えられた上にエーフィとブラッキーにも最低な奴を見る目で見られてしまった。慌てていつもレオが外へ出るときに使う窓の側に新しいフカフカの土を入れて植木鉢を起き直したら取り敢えず機嫌を直してくれたらしい。態度が軟化した。だが丸3日ほど何処と無く冷たい態度をとられたので今後は気をつけようと思う。

△月◇日(晴れ時々曇り)
レオの植木鉢の横にエーフィとブラッキー用のクッションを置いた。二匹はしばらくクッションをふみふみしながら値踏みをし、気に入ったのか外に出ないときはクッションに寝転がるようになった。時々、レオを挟んでお昼寝していてとても和む。クッションを買ってきたのは正解だった。

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