童貞力カンストマスター | ナノ

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 まさかこんなことになるなんて…グチュンパチュンと下品な音を立て激しく揺さぶられながら黒髭は考える。

からかい過ぎたと気付いた時には、童貞力がカンストしているマスターに押し倒されていたのだ。ガンドを使う
レベルでキレているマスターに対して、ケツ穴を貸す羽目になっていることよりも簡単にガンドを決められてしまう程に自分の危機管理能力が鈍る程に平和ボケしきっていたことに嫌気が差す。

「なに、考えてるの」

上の空な黒髭に気付いたらしいマスターが、苛立ちながら乱雑に顎を掴み無理矢理視線を合わせて来る。

「下手くそな童貞マスターの腰使いについて考えてたんでつよぉんもぉ…普通ガンド使ってまでやること?きゃわゆい女の子にならともかくぅ趣味が悪いですぞ〜?」
「黒ひーがっ!悪いん!でしょ!俺のこと小馬鹿にして!バカ!ヒゲ!」

区切る様に喋りながらガツガツと腰を強く叩きつけて来るマスターに、ニヤニヤしながらなおも煽る。

「まぁすたぁ〜?独り善がりセクロスは嫌われちゃいますぞぉ?腰振りゃ良いってモンじゃないんでつよぉ〜?分かりまちゅか〜?んん?」

 その言葉にピタリと止まるマスター。

「お?お?どうちたんでちゅか〜?ショックだったの?ねぇねぇショックだったの?マスターくん泣いちゃう?ママのおっぱい吸いに行っちゃう?」

 まだまだ煽り続ける黒髭。

そんな黒髭の雄っぱいにガバッと顔を埋め、胸を揉みしだきながらマスターは大きく息を吸って叫んだ。

「童貞童貞ってうるさいっ!バカ!今お前で卒業したもん!そんなに余裕ぶるんだったらもっと年上のお姉さん風に優しく童貞を導けよ!このヒゲ!」
「…うん、まずは拙者の逞しい雄っぱいを揉むのやめて貰っても?あともしかしてマスター拙者の性別ご存じない感じ?」
「えっちなんて初めてだもん分かんないよぉ初めてなのに男のケツ穴ってどうすれば良いんだよバカァアァ!流血沙汰じゃないだけ褒めてよ!褒めて伸ばして!うぁあぁぁぁん!」
「あの、マスター?拙者の話聞いてるでござるか?一回抜こ?ね?あと揉むのやめろっつってんじゃん…」
「ばか〜〜ひげ〜〜〜〜うんこ〜〜〜〜〜分かってんだぞ、お前が意識的に力抜いて童貞を気遣える余裕があるのくらいぃい!うぁぁあぁぁぁん!」
「ねぇ拙者さっきから一旦ちんこ抜けって言ってるよね?マスターの耳は飾りでつかね?!」
「ちんちんぬくぬくあったかいから抜かない」
「流石マスター童貞力が他とは違うの」

 食い気味の抜かない宣言に流石の黒髭もドン引きする。するとそこへ先程のマスターの叫び声を聞きつけた他のサーヴァントたちが部屋の前に駆け付けて来た。

「ますたぁ?如何なさいました?何やら不穏な言葉が聞こえましたが…ますたぁ…?開けてくださいませ、そうして頂かないとそちらにいらっしゃる髭の生えたウドの大木を燃やせませんわ」
「先輩!?大丈夫ですか!?」

と言うかマスターに対して異常な執着心を見せる特定のサーヴァントと、後輩の鏡の様なデミサーヴァントが扉の前に集まっている気配を察知する黒髭。

「ちょっ!マジで退いて!拙者の敏感で有能なセンサーが命の危機を察知したでござるよ!ちんこをパンツに収めやがれってんだ!萎えてるのは分かってるんでつよ!」
「ちんちんがここが気に入ったって言ってるから抜かない。部屋からも出ないこわいあとちんちんは黒ひーの穴に収めてる」
「そういう意味ではないでつね!?つーか自分で撒いた種ぇ!命の源の種との同時撒きなんて随分と器用でつねぇ!死亡フラグの回収はお一人でどーぞ!拙者は実家に帰らせていただきますぅ!」
「やだよ!一緒に言い訳してよ!もとをただせば黒ひーが悪いんでしょ!」
「えげつない責任転嫁!ふぇえ…このマスター怖いでござるよぉ…もう良い?拙者大分付き合ってあげたと思うんでつよねぇ」

 そう言ったかと思うと、黒髭は自分に覆い被さるように引っ付いていたマスターの脇の下に手を入れ持ち上げるとペイッと自分が寝転がっていたベッドへと放り投げる。

「拙者、このことは犬に噛まれたと思って忘れるでござるのでぇ…マスターもあれじゃ童貞を卒業したとは言えないでござるし、忘れなさいな。まあ?あれじゃあオナニーと言っても相違ないレベルでつけども!wあれ?待ってそれじゃあ拙者オナホ?」

黒髭に投げられたマスターはベッドの上でお尻丸出しのごめん寝状態で呟く。

「……たい…せて…る」
「あぁ?なんでつって?聞こえませんぞー?」
「絶対!喘がせてやるっつってんだよ!覚えてろよこのクソ髭野郎!そのご立派なちんこメスイキ三昧の末に爆発四散させてやらぁ!」
「はぁん?無理無理w童貞力カンストマスターじゃ逆立ちしたってこの百戦錬磨の黒髭様を喘がすなんて無理でつよぉおぉ?マスターのマスターステッキと同じレベルで、夢はそこそこのサイズにして欲しいですわーじゃあ拙者実家に帰るんで!」
「……どうやって?」
「は?」

お尻を丸出しにしたまま、ニヤリと笑ったマスターが再び大きく息を吸う。その動作に不味いと慌てるが行動が遅過ぎた。逃げ様にも外には既にあの清姫たちが控えている。

「俺はとっても傷付いた!だから黒ひーも同じくらいに傷付くべきだよね! 頼光ママ! !黒ひーがいじめるぅうぅうぅぅ!」
「マスター流石に百戦錬磨の拙者でも今この状況でリーサルウェポン出されちゃ死んじゃう!」
「母を呼びましたか?」

 瞬間移動の様にマイルームに現れる自称マスターの母親・源頼光。そして状況を把握する為に、下半身丸出しのマスターと黒髭を交互に見つめると一呼吸置いて聞く。

「…一先ず母はこの下半身丸出しの賊を罰せば良いのですね?」
「…あ、ダメだコレ拙者タヒんだわ」

 その日から何日か、黒髭の姿はカルデアから消えた。
数日後に何故かボロボロの姿になって戻ってきた黒髭は、童貞食い目当てと母親と嫁気取りと唯我独尊王族の方々に殺されると呻きながらしばらくの間「やっぱり三次元はねぇな二次元最高!」と叫び別人の様に大人しくしていたとか。

…まあ、またすぐに元の様に元気になったのだが。


おしらせ
 『童貞力のカンストしたマスターの話』は現在五話+番外編一作品をA7サイズの折本に製本し、イベントなどで配布しています。
現在はコロナ禍の中、なかなかイベントに参加することが難しくBOOTHを利用して通販にて配布しています。

 稚作は、年内を目処に残り二話で完結を予定しており、現在誠意制作中です。今まで一冊ずつの配布は対応していませんでしたが、今後は一冊ずつの配布にも対応していく予定ですのでよろしければ通販の方でこのおバカなぐだ男と黒髭のお話の続きを楽しんで頂ければ幸いです。

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