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いつものように授業が始まる。
ふと、伊武は隣に目を向けた。
「・・・。」
三神は最近ぼんやりとしている時間が多い、授業でもノートは開いても板書を取る事をせずに外ばかりを見ていた。
「三神・・・」
『あー・・・、なに?』
三神に目を合わせる。
「大丈夫?」
『何が?』
「・・・頭とか?」
『お前ふざけるなよ』
「・・・うるさいなあ」
『お前だろ!』
あ、怒った。
面白い奴だなあ・・・
「沙弥、静かにしろ。」
『先生酷い!伊武がケンカ売って来たのに!!』
「伊武、そうなのか?」
怪訝そうに、先生は俺を見る。なんか、うざいな。
「何のことだか、うるさいったらないなあ・・・」
『伊武、てめぇ後で殴らs痛っ!!先生チョークぶん投げないで下さいよ!?』
教室内が騒がしくなってきた、俺達の様子を笑ってる奴も居れば、関係の無い話を友人としてる奴もいる。
「さあ、授業に戻るぞー」
それを先生が制止して、授業が再開した。
『・・・あ。』
「・・・。」
やっぱり、
・・・な。
『教科書忘れた。』
「気づくの遅すぎ。」
やっぱり、こいつは馬鹿だ。
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