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虜にさせるレシピ




@下ごしらえはとても大事です。ちゃんと良い材料を選んで買いましょう。


「…あの、なまえさん」
「はい何でしょう」
「その、私になにか言いたいことでも」
「いえ大丈夫ですよ」
「そうですか」

(じゃあ彼女のこの視線は何なんだろう)



A切った材料が飴色になるまで炒めます。それを大きな鍋に移しブイヨンと混ぜ、じっくり煮込みます。焦らずに時間をかけるのがコツです。



「竜崎って、目大きいですよね」
「はぁ、そうですか」
「睫毛も長いですよね」
「はぁ」
「触ってみてもいいですか?」
「はぁ………え?」
「やっぱりー長いなぁー!」
「え、あの近っ、」



Bそれでは仕上げに入りましょう。ここで隠し味に少量のチョコレートを入れます。ほんの少し入れるだけで、味に深みがでます。



「竜崎って、手も綺麗ですよね」
「…ありがとうございます」
「触ってもいいですか?」
「あの、」
「わーやっぱりすべすべ!」
「いや、あのなまえさん…」
「竜崎って女の子みたいですね」
「……………は?」
「前から思ってたんですよ、睫毛も長いしお化粧したら絶対可愛いなぁって」
「…………」
「…あれ、竜崎?」
「…………」
「ちょっと何処行くんですか!?」



C盛り付けていきます。お好きなように盛り付けて下さい。何より貴女の気持ちが大事なのです。



「竜崎もしかして怒ってます…?」
「私は女の子じゃありません」
「そうですね…」
「可愛くもありません。少なくともなまえさんにはそう思われたくないです」
「ごめんなさい…」
「バカですねなまえさん」
「………は?」
「バカです、嫌いです。バカ」
「ちょ、そんなにバカバカ言わないで下さい!嫌いとか、ちょっと傷つきますから!」
「じゃあ気づいて下さい」
「…何がですか?」
「好きです」
「!」
「なまえさんが私を見つめたり手を触ったりするのでてっきり気があるのかと思ってました」
「え!!」
「ということで責任とって下さい」


D出来上がりです。熱いうちに召し上がれ!






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