ある程度落ち着いて、教室に戻れば一番初めに真っ青な顔をした七海春歌と赤い髪の男と目があう。
両者とも私を見た瞬間肩を大きく肩を震わせた。


(嫌われちゃったかも)


直感してもすでに胸のなかは空っぽだったので特に痛みはなかった。というのは嘘でやっぱり少し痛かった。
教卓にいた月宮林檎は崩壊した壁の修理代は名前ちゃんの事務所に請求するわね!とウインクを飛ばしてくる。無言で頷いて、社長にいつか謝罪せねばと誓った。
クラスメイトにじろじろとみられつつ席につく。


それを待っていたのか月宮林檎が号令をかけ、全員が座ったところ早速パートナー決めが始まった。
今回決まるパートナーとは課題として提出しなければならない歌を共に作るそうである。作曲コースの人間は曲を、アイドルコースの人間はそれに詞をつけて歌う。提出し先生が合格を出し次第次のステップに進めるそうだ。
何と驚いたことに月宮林檎はそんな大事なパートナーをあみだくじで勝手に決めており教室内は阿鼻叫喚と化し皆が皆、どうかとんでもないキチガイと組むことにならないようにと神に祈っていた。


あみだくじの結果が公表された後、男連れでサインをねだってきたあの女の子が私の前にやってきた。


「あら」

「よろしく」

「ええ、こちらこそ」


淡々とした挨拶に女の子は不服そうに口を歪ませる。いや、それ以前に何か問題がありそうだ。


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