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眠い…
( 2010/10/24 16:10
)

テンションだだ下がりだとこーゆーのばっかり書いてしまうよっていう良い例。


また書きかけですが。




*******
「(は、早く来すぎちまったかな…)」


携帯で時間を確認して何処かそわそわしている静雄は今池袋では無く宿敵である臨也の居る新宿を歩いている。


…否、“元”宿敵と言った方が良いのかもしれない。
あれだけ仲の悪かった静雄と臨也は今では恋人同士という間柄になっていた。

週末である今日も仕事が終われば臨也の家に行くと言う約束になっている。
何時もは大体7時頃に家に着くのだが本日の取立て業務は驚く程スムーズに終わり、1分1秒でも早く会いたいと何も考えずに新宿方向への電車に乗ってみたもののまだ6時にもなっていなかった。

一応連絡を入れた方が良いんだろうか?と迷ったものの気付いたら臨也の住んでいるマンションまで後数百mの処まで歩いてきていたのでもう良いか。となくさない様自分の部屋の鍵と一緒にキーケースに入れて居る臨也から貰った合鍵を取り出しオートロックのマンションの中へと入る。

臨也の居る最上階まで昇るエレベーターの中でもうすぐ臨也に会えると気分が高揚する静雄だったが臨也の部屋のドアを開けた瞬間、何処か高い処から叩き落されたような気分になった。




リビングの方から聞こえてくる助手の女性では無い知らない女性の声。
何を話しているかまでは聞き取れないしそんな不躾な事はしないが、仕事の話では無さそうな臨也と女性の声のトーンに“あぁ、又か…”と自分を落ち着けるように静かに息を吐き、瞼を伏せる。
一度外に出て何時もの時間まで暇を潰して、自分の頭も冷やそうかと考えあぐねて居ると軽い足音と共に女性に腕を絡ませた臨也がリビングからやって来て嬉しそうに微笑んで静雄へ向かって腕を伸ばす。
その拍子に女性が腕から離れてしまうがどちらもソレを気にする風では無く、静雄を見止めて余裕がある風に見える微笑を見せて女性は静雄の背後にある扉から出ていった。
それと同時に戸惑いに立ち尽くして居た静雄は臨也の腕の中に閉じ込められる。


「どーしたの?何時もより早いじゃん?俺に早く会いたかったの?」
「あ…ぁ…会いた、かった…」


確かに数分前まではそんな気持ちでいっぱいだったけれど、今ではそんな気持ちも萎んでこのまま自分の家まで帰りたくなった。「可愛いなぁー。シズちゃんってば!」なんて臨也の言葉も何処か遠い場所から聞こえているような気さえした。


臨也はこうやって女性と二人で居る所を静雄に見られても酷く平然としている。
別に静雄も決定的な瞬間を目撃した訳では無いので、本当に一緒に居るのを見かける女性は皆客や単なる知り合いで、そんな疚しい関係では無いのだから何も気にしていないのかもしれない。

けれど、静雄は何時だって不安だった。


実は学生の頃から臨也の事が好きだった静雄。
自分で自覚した頃には関係は容易に修復出来ないくらいに拗れていて、それからずっと黙っていようと思って居たのに数ヶ月前に酒に酔った所為でポロリと口を滑らせてしまった。

どれだけ馬鹿にされるだろう。とか、気持ち悪がられるだろう。とか色々良くない結果ばかり考えていたけれど、実際の臨也はポカンとした顔の後微笑んで、アッサリ「じゃーお付き合いしよっか!」とその日そのまま静雄を“お持ち帰り”した。

こんな関係になってから「可愛い」等は良く口にしているものの、未だ「好き」の一言は臨也の口から聞いた事が無い。だから静雄も「好き」と初めのそれ以降言えなかった。


「(…もしかしたら臨也は俺の事なんて本当は好きじゃないのかもしれない…)」


女性物の香水が身に着いたまま自分を抱く臨也に一筋だけ悲しみの涙を流した。
***********

誰だコレってゆーね。
静雄が偽者ですみません(何時ものことか…)





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