名字名前
初日/05:13:27
大字粗戸/食堂裏





























うわぁああぁぁああああやばいよこれは…まきのんってヘタレだよね?屍人一匹まともに倒せないまきのんってヘタレだよね?
八尾にすがりついて泣いてた八尾コンでもあるまきのん…あれは流石に可愛いとも気持ち悪いとも思っちゃったけど…いや仕方ないよね?だってまきのん27歳なんだよ!?あれはヘタレしか思えないよ!
あぁでも丸腰で三日間生き延びるってやばいよね…やっぱりまきのんってヘタレじゃないのかな…それとも、あぁああカムバックヘタレ☆まきのん!!


「なんて…あの人だったらこう言うんでしょうね…」


『……………へっ?』


おおう我ながら間抜けな声を出してしまった…あ、そういうオチ?あぁやっぱりヘタレまきのんだったの?YATTAね!!☆
それはそうと、あの人ってきっとマッドサイエンティストの宮田先生のことだよね…?
まきのん…


「私には、双子の弟がいるんですよ。
あの人はただ与えられた役割をこなしていた私とは違って…あの人は、
……私も、あんな風に自分から何か出来るような…ただいるだけじゃなくて、何か出来るような…」


『牧野さん…』


「すみません…何も関係ない貴女にこんな私情な話をしてしまって…」


『……なんか、違いませんか……牧野さん…』


「え……」


言うべきじゃない、でも言いたい、何か変わるわけじゃない…でも私は、


『牧野さんなりたいなりたいって言うだけじゃないですか。
その人みたいになりたいなら、牧野さんから変わらないと…!』


「で、でも私のような人間には…!」


『そうやって逃げてるから何も変わらない…そうやって変わろうとしないから変われない…!
牧野さんには変わろうと思えば変われる…そうでなくても、みんなに必要とされてる…
変わろうとしても、変われない人がいるのに…牧野さんは変わりたいって言うだけで自分は無理だからって逃げて変わろうともしない…
そんなの、違う…!』


抑えられなかった…馬鹿だ私…いつもこう…お節介なことばっかり、だから私は…いつも…
きっとまきのんも怒ってる、何も関係ない私が説教じみた、こんなこと…でも私は間違ったこと言ったつもりない。


「………」


『………』


き、気まずい…どうしよう…取り敢えずここから出て手拭いを済ませないと…まきのんを見上げた瞬間、その後ろにいたモノが見えた。
しまった!扉を閉めるのを忘れてた…!だから私ゲームで何度も死んじゃってたんだった…!
ていうかもう生き返っちゃったのかぁ…また無双しないとだなぁ…むぅ、ゴルゴは嫌いなのになぁ…って、違う違う!
まきのんがいるから攻撃出来ないし…かといってこんな狭い場所で猟銃は構えられない…かといってまきのんが襲われるのは絶対絶対ダメだ…!


羽生蛇ヘア、じゃなくてまきのんは私が!!


『牧野さん!!!』


「へ、う、うわぁ!!?」


絵図的には私がまきのんを押し倒した感じ、キャッ☆ちょっとオ・イ・シ・イ☆とか思っちゃったりなんかしちゃったり…ハァハァ…
何てすこぉおし変なことを考えてたバツだからなのか後ろにいた屍人の攻撃が俺の脳天を直撃した…
あ、結構痛いコレ…まぁでも刃物じゃなかっただけマシ…かな…あ、でも意識が…やば…


「う、うわあぁあ!名字さ…!!」


まきのん、を…守らなきゃ…なのに…


『に、げて…』


ここでまきのんが死んじゃったら…ポポコちゃんは…どうなっちゃうの…
それに…宮田、せんせ、が…………あ、も…だめ…


瞼が落ちる寸前に見えたのは、牧野さんの、泣きそうな表情と、今にも襲いかかろうとする屍人…


ごめんねまきのん…守れなかった…





意識アンチテーゼ
(これって、ゲームオーバー?)










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