名字名前
初日/02:59:33
蛇ノ首谷/折臥ノ森
『ぜぇ…はぁ…』
も、歩けないしんどいもう無理眠たいお腹空いた何か食べたいのど乾いた何か飲みたい。
ああああああああああもう!!何なんだよこん畜生!!屍人にはよく会うわ此処どこかわからんわ何なんだ!!
怒るの通り越して呆れるわ!!いや怒ってるけどね!!兎に角私の方向音痴はノーベル賞採れるよ!!
弾はまだ32発あるからいいものの、このままだと私美浜さんフラグだよ、いや本当に。
『うぇええん…美耶子ちゃんに会いたいよぉおお…』
涙やら鼻水やら流しながら三歳児の如く歩く、嗚呼もう家に帰りたい。
と、最早絶望モードに入ったその時だった、ざくっ、私の足が何かに入り込み、私は転けた。
『うひゃぁああぁああ!!?』
「っ!?」
どうやら私が足を突っ込んだ所は砂の山(なんでこんな所に!)だったらしい。
そのまま砂の山に先にあった穴にダイブ、ああああああもう!!何だよ、人様の銃を奪った天罰ですかこの野郎!!
あぁもう腰痛い…泣いていい?ねぇ泣いていい?いやもう泣いてますけど気にすんな。
「……何で、」
『…………、へ?』
いきなり声が降ってくる、それは私の好きな声に似たテノールボイス、又の名はエロボイスと云う。
兎に角穴に入ったのはそのままにその声に上を見上げてみると、そこには白衣、と、整った顔。
みやたせんせ…そう呟きそうになるのを堪えて呆然とするその人物、宮田先生に私は口を開いた。
『…むっ、麦茶と緑茶どっち派ですか…?』
「………」
しくったぁぁあああああああああああ!!!
自己紹介も無しに何言ってんだ俺ぇええええしかも穴に入りながらと滅茶苦茶アホじゃん俺!!
つかこの穴美奈さん埋めてた穴じゃねぇかぁあああうわぁあああああ…
穴があったら入りてぇええええ…、ってもう入ってるぅうううう!!
「緑茶派です」
『………そうなんですか』
えーと、ちょっと整理しようか!私は麦茶派か緑茶派という意味不明な(パニクってたの!)質問したんだよね。
普通に答えたよ先生ぇえぇええええええ!!!
ちょ、これ何!?何のサービス!?え、ちょ、俺何も払わないよ!?いいの!?いいのかい!?
「今度は私が質問していいですか」
『……はい?』
「貴方は何者で、何故、どうやって、どういう経緯で其処にいるんですか?」
まさかのgive-and-take!!しかも質問一つに見せかけて実は全部聞き出そうとしてるよ!!
私は嘘はつかない程度に今までの事を話した、私がトリップした事や屍人や未来を知っている事以外。
因みに私は此処に須田っちみたく観光みたいなもので来たという設定にしておいた。
須田っちの時滅茶苦茶苦しかったからもう失敗しない!!……と思う。
「……そうですか。
そういえばいつまでその穴に入ってるつもりですか?」
『あ、はい…そ、そうですよね。
そういえばこの穴大きいですね、まるで人一人を埋めようとしてるような…』
「……そうですね」
うふふふふふ…会えないと思ってた宮田せんせーフラグなんだもの…
ちょっとぐらい宮田先生苛めてもいいよね☆嗚呼神様罪な名前を許して!
『こんな大きい穴はあるのに埋めるモノがないって事は…
……上手に、埋められませんでしたね、死体』
「!!」
びくり、と宮田先生の肩が揺れる、とその次の瞬間、私に向けられたのは小さな、でもとても痛い殺気。
……や、やばばばばばばばばばばば怒らせちゃったよ!ど、どうしよう助けてSDKー!!
いや武器持ってるし私の方が有利なんだろうけど宮田先生に傷を付けたくないんだよ悪い!?
とにかくどうしよう!
悪戯アンチテーゼ。
(よいこは真似しないでね!!)