まさか、自分にあんな映画のヒーローのような体験のチャンスが巡ってくるとは、その時は夢にも思わなかった。
トクサネの宇宙センターの2階で、私はたまたまその事件現場に遭遇してしまったのだ。
「ロケットの燃料なんか盗んで何をするつもりなんだ!」
抵抗する男を取り囲むように、
「我々の邪魔をするんじゃない!」
と、2人のチンピラ。
「…やめないか、悪党」
思わず、口をついで出てしまった挑発の文句。
もう後には引けない。
逆上する2人のチンピラ。バクーダを手にしたやつもいる。
ならば…と、私は左手で、懐からデボンスコープを取り出す。
「スコープキック!」
私はすかさず、正面のバクーダを持ったチンピラの鳩尾に蹴りを叩き込む。
悶絶し、倒れるチンピラ。
「スコープ裏拳!」
返す右拳を、唖然とするもう一人のチンピラの顔面に叩き込む。鼻の骨が砕け、昏倒する。
「スコープチョップ!」
残るひとりの頚動脈を断ち切る。
一撃必殺。
一瞬にして、私を取り囲むように倒れ悶絶する血ダルマが3つできあがった。
「次からは、相手を見て喧嘩を売ることだな…」
返り血で真っ赤に染まったデボンスコープを拭きながらそっと、私に勝利をくれたスコープにつぶやいた。
「持っててよかった、DSP」
▼マツブサ:
私は ただ…
陸地を 増やしたい
だけなのに…
▼ホムラ:
右に 同じだ…