追憶 | ナノ

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さて、何処から始めましょうか…

そうね、最後だったあの日は随分と寒かった。あの子が中々ベッドから出て来なくて、困ったのを覚えてます。
私も、出来るならそうしたかった。でも、実際はしません。だって、その日はとても大切な日でしたから。
…そういえば、お茶は宜しいですか?―――そうですか。あぁ、ごめんなさい。話が逸れてしまいましたね。
あの人もよく私に気を使って下さって…お兄様は、あまり良く思っていなかったようですけど。…え、私ですか?―――そうですね。私は―――

出来るなら、一緒に行きたかった、と言うのが本心です。勿論、私が何も出来ないことくらい承知しています。ただ、それでも私はあの人達の傍にいたかった。大切ですから。私にとって代え難い人達でしたから。…はい、彼もそうです。

あれから長いこと経ったでも、思います。もし、私があの時一緒にいたらって。でも、きっと変わらなかったでしょうね。
何度思い返しても、行き着く結果は昔も今も同じ。私はあの人達に出来ることなんてなかった。

は、今頃どうしているのでしょうか―――…


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