青春謳歌! | ナノ


07




最近、新しい友達が出来た。
ハニーゴールドの髪に、綺麗なアメジストの瞳。女の子が羨ましがりそうな綺麗な顔立ち。性格は優しくて、普通の男の子と比べるとちょっと大人しめ。そんな人。

「ただいま」

ジョンの散歩から兄さんが帰ってきた。始めに私の所へ来たのはジョン。尻尾を振って私の所へ来たジョンに「おかえり」と言うと言葉が判るみたいに鳴いた。少し遅れて兄さんが来た。

「お帰り兄さん。すぐ夕食の用意するね」
「あぁ。…ん?これは、」

私がキッチンへ行くと、兄さんはテーブルの上にあるラッピングされた袋に気づいてみていた。それは私が今日、その新しい友達である、イワン君と一緒に出かけた時に買ったもの。

「それ、大学の友達へのプレゼント。来週誕生日なの」
「そうか。何を買ったんだい?」
「扇子。その子日本の物が好きでね、和風柄の物があってそれを買ったの」

テーブルの上に出来上がった料理を順番に用意すると、兄さんもそれに気づいて手伝ってくれた。二人分の夕食の用意が出来ると、最後にジョンの分の食事を用意して、私達は夕食をとり始めた。

「実は凄く悩んでいたんだけど、この間あった男の子が日本物が好きみたいで、今日買い物を一緒に行ってどんなのが良いかアドバイスを聞いたの」
「へぇ。そう言えば、折紙君も日本好きだったな」
「折紙サイクロンのこと?そう言えば、忍者の格好だね」

兄さんからたまにヒーローの話を聞くことがあった。ポイントを取り合う点ではお互いライバルみたいだけど、普段は凄く仲が良いって聞いたことがある。そっか、イワン君に相談出来なかったら、兄さんに頼んで折紙サイクロンから聞くって方法もあったんだ。

でも、やっぱりイワン君に聞いて良かったなって思う。だって、そのおかげでイワン君と会って話す機会も出来たわけだし。

「そうだクロエ。この間のアドバイス有り難う。おかげで、例の彼女と会えたそうだ」
「本当に!?良かった!」

この前、兄さんから相談があった。同じヒーローの人の一目惚れしたらしくて、私も協力ってほどじゃないけど意見を言ったらそれが上手くいったみたい。役に立てて本当に良かった。兄さんも仲間の為に役に立てたと凄く嬉しそう。
兄さんの役に立てて本当に良かったって思う。普段私が出来ることと言ったら、家事全般と兄さんが忙しい時、代わりにジョンの散歩に出かけるくらいだし。

「今日、その彼女とデートをしたそうだよ」
「そうなの?偶然だね、私も今日彼と会って出かけてたし」

もしかして、街で擦れ違ったなんてこともあったのかもしれないって思ったら、凄く楽しくなった。食事を終えると、兄さんは夜のパトロールの時間で、私はそれを見送った。



そして翌週、私は大学の友達にプレゼントを上げたら、凄く喜んでもらえたのはまた別の話。
今度イワン君にお礼を言わなきゃ。



 
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