慟哭



『好き』



あたたかさが触れた頬。
あつさが流れ落ちてゆく。

「すき」

身体が動き出す。あたたかさがじわりじわりと染み込んでいって、あふれだす。

「すきっ」

あふれだす。

「すき、すき…だ…」

もうなにもおそれない。

「うぅ…うあぁ……ぁ…」

もうそれはこわくない。

「すき」

あつい。
あつくてとけてしまいそう。
とけてしまえばいいのに。
あついまま、とけてしまえばいいのに。


― ― ―

12/10/29
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