テーブルを越えられない二人


「アンタはいつになったら手に入るんだ」
「…ね、私このアイスラテが飲みたいな」
「聞いてたか?」
「私ね、あなたが好きよ。そりゃもうとびきりな好意を抱いて接してるのよ」
「それはいつもいつも聞かされてるから知っている」
「そう」
「さっさと俺のものになってくれ」
「嫌だ」
「アイスラテを一つ。いや、二つで」
「相も変わらず可愛くて優しくて、あなたってとっても素敵な人よね…苛々する」
「そりゃどうも、失礼しましたね」
「ああ素敵。好き。好きよ。好きすぎてどうにかなりそうなのに、あなたってば、どうして気付いてくれないのかしら」
「ティラミスでも食うか?」
「いる。…やっぱいらない」
「そうか。…ラテ、シロップは1個と半分でいいか?」
「自分でやるから大丈夫」
「ああそう」
「ねえ、私のこと、まさか、好き?」
「まさかってなんだ」
「まあそんなことどうでもいいの。あなたが私をどう思おうが、私の知ったことじゃない。私だけがあなたを好きなら、それでいい…」
「フィオ」
「ロイ、私のものになりなさい」
「嫌だ。そんなことより、フィオの方こそ俺のものになれ」
「いーや! ああーアイスラテ美味しい」
「美味いけど、」
「ロイ、すき」
「俺も好きだけど」
「(ブクブク)」
「好きだ」
「……ロイが私だけのものになればいいのにな。悲しいな…」
「なるか?」
「ならないからこうして悲しんでるんでしょ。ああロイ、すき…」
「…酷い奴だな、アンタ。ひとり相撲かよ。さっさと俺も混ぜてくれ」
「(ブクブクブク)」

- - -
おされな喫茶店にて、大人めだけどこどものように譲らない二人。
まだ"恋"をしていたいフィオさんと、早く"愛"したいロイさま。そんなめも。

140516
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