何かを恐れるジェミニ2


「おはようございますっフィオ! いや昨日は美しい私の見苦しい姿を晒してしまい申し訳ありませんでした… しかし、困惑する美しい私の魅力に引き寄せられ私の為に尽くしてしまう…それが私の美しさに魅了された者の宿命とはいえ、素敵な女性ですよ、貴女は!」
「苦悩する私の美しさに魅かれ、優しくも柔らかく、女性らしく振舞える貴女…!うーんっ、合格ですよ、フィオ!!」
「……(朝っぱらからうるせぇ…)」
「さあ見てください!輝きを取り戻したこの私の!美しいボディ!美しい立ち振舞い!美しい顔を!さあホロ!」
「フィオ!良く見てください!私が二人で輝きも二倍!いや二倍どころでは収まらない… っく、私という美の権化の前にどんな言葉を並べてもその意味の枠に私は当て嵌まらない…それほどまでに私は美しすぎるっ!!」
「ああっ私!!」
「私よ!!」
「「なんと罪深き私!!!!」」
「……………報告書、出来てる?」
「それはこれから!」
「貴女と共に仕上げます!」
「「この美しき私と!貴女で!」」
「あっ………たま、いたいわ…」

- - -
「そのまま(ずっと)、握っていてください」言いたくても言わなかった言葉。まだまだ感情育成途中の、未完成の美しさ。

ホロに対しても対抗意識を燃やす… だが本人はこのやきもきする気持ちの原因が分かってなくて、その良く分からない気持ちによって自分がいつもと違うことを認めたくもない。
自愛こそがアイデンティティの、彼には。

131211
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