何かを恐れるジェミニ1


「…ん?」
「おや、フィオさんじゃないですか」
「ん…こんちはジェミニ。あ、出会い頭に悪いんだけど、今回の報告書がまだ上がってきてないよね…何かあったの? 仕事の早いあなたにしては珍しい…」
「ちょうどその件で貴女を伺いに… 嗚呼、なんというタイミングでしょう…」
「?」
「どうにも筆が進まないのです…貴女の知恵をお借りしたいと思いましてね。…これから何かご予定は?」
「このデータたちを元に新しい資料を作成しようと思っていた所。…ジェミニが良かったらだけど、一緒に作業、する?」
「是非、ご一緒させてください」

//

「はぁ…」
「……」
「はぁー…」
「……」
「っはあぁ〜〜〜…」
「…ジェミニ、」
「はい?」
「その…だいじょうぶ?随分考え込んでるようだけど…」
「ええ、私は大丈夫ですよ…」
「……」
「…むぅ…ううむ……」

「…ジェミニ、ちょっとココ、私の隣においで」
「隣…ですか?はい…」
「ハイ。仕事の話は一旦終わり―― ジェミニ、ココにホログラムを出しなさい」
「えっ、どうしてですか?」
「いいから」
「……、だ、出せません」
「どうして?」
「……」
「どうしてか、言えないの?」
「…言えないです。自分でも…分からないので…」
「ホログラム発生装置の故障…ではないのね」
「おそらく出そうとすれば出せます。でも出したくないんです…それがどうしてなのか、自分でも分からないのです…」
「精神的なものなのかな… それはいつから?」
「昨日から…です」
「…メンテ、受ける?」
「……」
「そういう問題じゃないよね。私に出来ることがあればしてあげたいけれど…」
「……じゃ、じゃあ…」
「え」
「手を… 私の手を、握ってください」
「…いいよ?」
「…そのまま、握っていてください」
「うん、いいよ」
「……」
「(ジェミニ…?)」

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あなたのことをかんがえると、

131211
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