マグ兄、おねぼけさん。3


「ということで訓練のための特別講師を連れてきました」
「DWN 3rd基地、模擬戦闘ルーム… 漸く到着か」
「め、メタル…さん…!? ど、どうしてあの人が…! あの、フィオさん、これは…」
「セカンズのリーダー、メタルマン。DWN初の純戦闘機として作られた彼の戦闘センスは抜群。メタルブレードの切れ味はマグネットもよくご存じだと思うけれど、どうかしら?」
「どうかしらって… いやあのっ、俺、訳が分からないんですが…!」
「訳が分からなくてもやり遂げる。それが――」
「ひっ!!」
「…DWNを牽引する、リーダーの勤めだ」
「そゆこと。メタルは私よりスパルタだから気を引き締めないとたちまち"スクラップ"にされちゃうよ?」
「誰より厳しいお前がよく言う…」
「…んじゃ、後は任せたよメタル」
「ああ」
「ちょっ、フィオさん!何を考えてるんですか!!」
「何って、…戦闘での能力開花。あなたの能力は素晴らしいものだと前にも言ったけれど、それを使いこなせていないあなたは全然素晴らしくない、今のあなたはただマッサージが上手いだけのヒューマノイド…」
「…ッ」
「私の専用機ならそれでもいいんだけれど、あなたはサーズのリーダーなんだからそれ相応の素晴らしい力を身に付けてほしいのよ。引率者としてみんなの模範となるように。私の言ってること、わかるかしら…」
「…理解は、できます。けど…」
「その点セカンズのリーダーはしっかりやってくれてる。それはもう、DWNのリーダーとして十分すぎるほどに、ね。…あなたの方はさて、どうかしら?」
「……」
「…フィオ、時間が押しているぞ」
「分かってる。…ひとつ、マグネットにヒントをあげる。メタルマンはその名の通り鋼―― つまり金属、特殊武器のメタルブレードも金属… マグネット“マン”の持つ能力からすればいとも簡単にひねり潰せる相手…… 違うかしら? メタルマン」
「言ってくれる。だがそう簡単に倒されるものか。俺はお前を甘やかしはしないぞ。DWN.018 マグネットマン」
「……くっ、恨みますよ!フィオさんっ!」
「ねぼすけさんに恨まれても痛くもかゆくもないですよーだっ」


- - -
先輩リーダーから手ほどきを。
めったんとフィオさんの信頼関係=リーダーとしての格の違い をさり気なく見せつけられるマグ兄さん。散々である。

131211
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